生徒理解と生徒指導(1/93・1)

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初任者の一人が修学旅行で生徒を引率するというので、始業式の日に行った「学校行事と生徒指導」の第2回目にしようと思ったのですが、「生徒理解と生徒指導」に変更しました。

研修の資料として、『日本の学級集団と学級経営-集団の教育力を生かす学校システムの原理と展望-』(河村茂雄著、図書文化)のpp.200-204を参照しました。

前回の研修の中で、「教師には率先垂範という意識が必要でないか」という点で、生徒の集合で教師が待っているか、並んだ頃を見計らって登場するかという話がありました。そして、勤務校の場合は「担任が早く来るクラスは生徒の集合も早い」傾向があるのではないかという話をしました。

児童生徒は一人ひとりの教師に対して特定の勢力を感じて、その指導や指示に従っていると考えられると河村は指摘し、その代表的な勢力資源として、1:準拠性、2:親近・受容性、3:熟練性、4:明朗性、5:正当性、6:罰・強制性の6点をあげている。そして、子どもの発達過程において、教師に対する勢力資源が変化すると指摘している。

具体的には、中学校では「正当性」が教師役割の魅力に入っているのに対して、高等学校の場合「教師の人間的な魅力」の中に含まれるという。つまり中学生は教師の授業の教え方のうまさや熱心さを見て「教師らしい」と感じるのに、高校生では一人の人間として尊敬できるか親しみがもてるかということを重要視するという。

日々の指導のなかで、生徒の心の中に「先生が言うのだからちゃんとしよう」と、「自分の意志でしっかりとする」という気持ちがならなければ、結局その場限りの指導になってしまうと思います。そして、そういう気持ちにさせるのも、教師の人間的な魅力なのかも知れない。

<本日の資料>
・『日本の学級集団と学級経営-集団の教育力を生かす学校システムの原理と展望-』(河村茂雄著、図書文化)pp.200-204

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